ハウス内アウトソーシングプロジェクト:お掃除
通常のシェアハウスでは、共用部の定期清掃を外部業者に委託する場合が多いです。 京都下鴨修学館でも同じように週2回ほど清掃をお願いしておりました。 一見「掃除してもらえて楽そう!」というイメージがわきますが、実際生活してみ […]
価値観を共有するコンセプト型シェアハウス【フラットエージェンシー】
1970年、京都・下鴨に女子のための学生寮が生まれました。
今から49年前。大阪万博とよど号ハイジャックの年。
前年のアポロ11号の月面着陸の興奮がまだ冷めないなか、ビートルズが解散したのもこの年でした。
この年の女子の大学進学率は約18%(17.7%)と男子の29.2%を大きく下回って低く、
女子が進学のために親元を離れて一人暮らしをすることがまだ当たり前ではない時代でした。
「だが、これからは女子の時代だ」
「安心して学べる環境を女子にも」
そう考えた一人の篤志家がいました。
当時、京都大学で職員として働いていた宮崎又治さんです。
「親御さんが安心してわが子を送り出せるように」
「そのためには、安心して暮らせる生活環境が必要だ」
宮崎さんは、女子専用の学生寮の必要性を感じ、
下鴨の住宅街の一角に私費を投じて女子寮を建設。
「修学館」として女子学生の受け入れをはじめました。
多感な青春の時期をどんな環境で過ごすかは人間性や感性を育むうえでも大切です。
修学館の建設場所は、琵琶湖疏水の桜並木に面した閑静な住宅街が選ばれました。
春は桜が咲き、夏は五山送り火を間近で仰ぎ、秋は紅葉の東山、冬は雪の比叡山。
京都の四季と文化を肌で感じられる京都・下鴨という環境は
学ぶ向上心、美を愛でる感性、人や自然や地域との豊かな関わりを育むのにふさわしい場所でした。
宮崎さん自身、アートや芸術を愛する文化人でした。
彼女たちの暮らす環境をよりよいものにしようと、みずから外観を設計し
当時はまだ珍しかったタイルを使いモダンなデザインの外観にしました。
空間構成、内装にも、ひとかたならぬ思いが見られます。
広い廊下。ゆったりとした配置。L字型の建物の内側に広がる中庭。
窓からは東山と比叡山が一望できて。
宮崎さんの美意識と哲学は、現在の修学館にも受け継がれています。
「一、入寮資格は女子学生に限ります」
に始まる「京都 修学館 寮則」は、時代にあわせて更新されつつ
1999年に女子寮としての役目を終えるまで寮内の一角に掲示され
入寮生たちの規律と日常生活を支えていました。
その後、時代の変化に応じて
男子受け入れや大学との提携なども行いつつ、
修学館は、新たな時代の担い手をそだてる
インキュベーターでありつづけてきました。
2020年、京都 修学館は、全面リノベーションを経て、
価値観を共有するコンセプト型のシェアハウスとして生まれ変わります。
資本主義の限界。個人主義の疲弊。
いきすぎた合理と科学。身体性の喪失。
時代は新たな価値観と生きる場を必要としています。
京都 修学館は、
東京・渋谷を拠点とする一般社団法人 Cift(シフト)と共に、
これからの共生社会に向けた小さな社会実験を始めます。
Ciftは、「拡張家族」というコンセプトを掲げ、
2017年に渋谷のどまんなかで
「新しい家族のあり方」を模索する生活実験を始めました。
地縁や血縁や利害関係だけにしばられない、
あたたかさとやわらかさをもったコミュニティー。
愛と信頼とリスペクトで育まれる人間関係。
それと同時に、自由と自立も尊重する風通しのよさ。
インターネット時代だからこそ可能になることもたくさんあります。
京都 修学館は、このCiftの価値観に共鳴し、Ciftの挑戦を応援したい。
そして、ゆるやかな連携で、この挑戦を共にしたいと考えます。
現在、Ciftの拠点は、渋谷CASTに加え、渋谷・松濤、鎌倉の3つあります。
京都 修学館に、Cift4つめにして関西初の拠点ができます。
建物の半分は、誰もが入居できるシェアハウスです。
のこり半分は、Ciftのメンバーたちが
拡張家族としてゆるやかに開きながら暮らす場所。
そして共用部分は、全員が時間を共にするコミュニティースペースです。
どんなふうに日々を共にし、気持ちをシェアし、未来をつくっていくのか。
それはここに集まるハウスメンバー次第です。
そこにはもしかしたら、新しいソサエティーが生まれるのかもしれません。
京都・修学館は、そうした暮らしが可能になるよう
空間設計から見直しました。
学生寮時代のスピリットを大切に、伝統と趣は残しつつ、
機能・設備は全面的にリニューアル。
より快適で、今の生活にフィットした、
オープンな「場」が日常生活をゆるやかに包みます。
どこで、だれと、どんなふうに暮らすのか。
何を大切にし、どんな人生を歩みたいのか。
これからの時代にさきがける
新しいシェアライフを始めませんか。
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